【小特集No.8 China GROOVERS.】



 小特集も数える事8回、思えば遠くへ来たもんだぁ。ええと、前回の小特集ではネック以外すべて新規製作という荒業を駆使し、多大なる効果を得ました(当社比)が、あまりにも変わり果てたその姿に「小幅な改良ででっかい効果を目指そう」と考えたのでありました。てか、今前回の小特集を見て思い出しました(笑)。

 さて、電装系を弄り、サドルを弄り、PUをオーダーし、と、やれることはやった気で居たのですが、先人に学ぶという、基本中の基本を失念していたという体たらく。LEAD2を駆使し、素晴らしい音色を奏でるロッカーといえば、ずばり!The Grooversの藤井一彦氏を措いて他にはいないでしょう!

 The Grooversについては公式サイトをご覧いただきたいのですが、非常にカッコイイバンドだと思います。また、藤井氏は、当サイト「関連書籍」や「アーティスト」の頁でも触れている通り、LEAD2使用アーティストの第1人者とお呼びしても差し支えないほどのフリークぶりで知られています(現在のメインギターはグレッチのようですが)。Guitar Magazine(リットーミュージック)に掲載されているインタビュー記事や画像から、氏所有のLEAD2には殆ど全てにBill LawrenceのL-250というPUが搭載されていることがわかります。ううむ、LEAD2使いの大先輩が、10年以上前から提示なさっておられるファインチューンを、これまで試さなかった管理人が間違っていましたよ。遅まきながら、実践あるのみッッ!!早速通販で購入ッッ(笑)!!
 これがパッケージです。管理人が物心付いたころから有名なリプレイスメントPUでしたよね。確かBill Lawrenceブランドのギターも有って、ストラトシェイプのボディーにS-S-Hの配置で、LHBサイズのL-500と共に搭載されていたような記憶がおぼろげながらございますな。

 中身です。ブレードタイプのポールピースが特徴的ですな。余談ですが、この手のバーポールピースタイプの謳い文句として「チョーキングの時のデッドポイント解消云々…」と言われますが、これまで通常のポールピースを用いたPUで、デッドポイントを感じた事が…ありません(死)。

 裏面です。カヴァーが取り外し困難なモールドタイプであることがお分かりでしょうか?ケーブルは白・黒の2芯アルミシールドですが、「リプレイスメントピックアップのすべて(リットーミュージック刊)」によると芯線の色が赤・黒となっており、細かい点で変更がなされているようです。

 側面画像で、X-1との比較をしてみました。高さの違いは一目瞭然ですな。付属の高さ調節用ネジとバネが、通常のフェンダータイプと異なるようです。

 これも側面画像です。高さの違いは上述の通りですが…

 こちらをご覧下さい。上面・側面ともに高さ調整用バネがくっつきます。底面には殆ど付きません(中央部のみ僅かに付く)。

 要するにですね、上記画像のようになってるのではなかろうかと。って、モノの本には構造がちゃんと解説されてるんですけどね(笑)。赤と青はどっちかが磁石のN極でどっちかがS極なのでしょう。オレンジの線はコイルの巻いてる方向。で、緑の線が磁力線、か?あはは、信用したら負けですよ、当小特集。

 前述の「リプレイスメント…」において藤井氏はL-250のことを「キレがあってパワフル」と評しておられます。もう…もう装着しかないッッ!!しかし、ただ装着するだけではなあ。どうせなら資料にある藤井氏所有のトレモロアームつきLEAD2を再現してみよう。

 ええと、これが改造前のオリジナル状態ですな。前所有者撮影の画像なので知らないアンプが写っております。てか、元所有者(奈良県在住)は今でもこのアンプを持っているのだろうか?どれくらいの機材が元所有者(奈良県在住)の上を通り過ぎていったというのか(笑)?
 ボディー画像です。ピックガードを交換するだけで、ずいぶんと印象が変わるものですね。ピックガード製作は、お馴染み月犬工房華奢庵氏にお願いいたしました。

 アーム先端のチップはメタル製に交換。多分GOTOH製ですな。トレモロユニットですが、多分日本製(ミリ規格)だと思われます。サドルの幅は約10.2mmと狭くノーマルと形状は異なりますし、オクターブ調整ネジ固定用の六角ナットも用いられてません。最も新品購入ではありませんから、以前の所有者によって交換されている可能性もありますが。

 コントロール部は基本的に変更ありませんが、ノブを白色に、そしてトグルスイッチは1個に(フェイズスイッチは撤去)してあります。あ、キャパシターはオレンジドロップの0.047μfをつけたんだったかな。

 ヘッドは後期仕様のストラトタイプ。偶然にも藤井氏所有のものと同型です。資料を虫眼鏡で見る限り、シリアルもそう遠くは無さそうです。

 ボディー裏面。こちら側は生憎資料を持っておらず、バックパネルについては、その有無も含めて詳細不明です。

 スプリングキャビティー中央に見える穴はPUキャビティーから貫通しています。これについては当サイト「伝聞」の頁で触れてますので、興味のある方はどうぞ。


 ううむ、満足しましたよ。って、目的はLEAD2サウンドのグレードアップだった(死)!!!いかんいかん。というわけでノーマルLEAD2と比較してみました。こちらの「小特集0505」です。フロント、フロント+リア、リアの順で弾いてます。あ、アンプはLEADMASTERことスーパーチャンプ改に直結、録音はEDIROLのR-1を使用しました。レベルがやや低めなのは、歪んでしまう事への恐怖ゆえです、お許しを(笑)。

 どうです?L-250搭載LEAD2の方がノーマルより中域が豊かなような気がしますよ。やはり先人のなさる事にはちゃんと意味があるんだよなあ。とはいえ見かけも大事なので、全部をL-250に交換とかはしませんけどね。あと、トレモロユニットの有無には言及しないのかと言われても、どう言及していいやらわかりませんから仕方ないじゃないですか(笑)!

 ううむ、逆切れしつつもなんだか初めて実のある作業をしたような(笑)。この調子でいくで×3!!!

06/10/14 追加

 後期モデルにモディファイしてみました。変更点はローズ指板ネックへの換装(藤井氏のものはLEAD3のものを移植している)と白いアームチップの搭載です。資料によると、この後元の持ち主に返却してしまったとか。